西川進という人

Coccoの「雲路の果て」という曲がある。僕がCoccoでCDとして持っている、唯一の音源。Coccoは良いと思うのだけれど、特に好んで聴いてたわけじゃなく。しかし、この曲はラジオか何かで聴いて、衝動的に買った。静かなAメロから、轟音に変わるサビには鳥肌が立った。

谷口宗一という人がいる。スパイラルライフという活動で前バンドのバッドイメージを払拭した車谷浩司の分まで、元BAKUという幻影を背負わされたまま活動したミュージシャン。彼の4枚目のソロアルバムに、「sweet little heaven」というものがある。当時中学生だった僕は、このアルバムのイントロにノックアウトされた。イントロと言っても、ドラムのフィルインから、前小節にかむ形で挿入されるギターだけの短いもの。

矢井田瞳に「アンダンテ」という曲がある。特に彼女に興味のなかった僕だけども、昨年、ひょんなことから、この曲をコピーすることになった。曲自体については特に言うことはないけれども、この曲をギターで弾くことは実に楽しかった。

椎名林檎の「無罪モラトリアム」。高3の晩冬、前期試験の前日、僕はこのアルバムを買って、新幹線に乗り込んだ。これから地元と違うところでの生活を始めるべく試験を受けようとしていた僕に、一曲目「正しい街」は妙に響いた。

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ところで、渡辺等というベーシストと、佐野康夫というドラマーがいる。エアーとしての活動が最も有名かもしれないが、最近だとスキマスイッチのアルバムに参加してたりもする。別に曲自体を貶すつもりは毛頭ないけれども、こいつらが演奏すれば、どうしても良く聴こえてしまう、という、反則ミュージシャンである。
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僕にとって、「渡辺等+佐野康夫」以上の、反則ミュージシャンがいることに気づいた。一番上で挙げた、Coccoの「雲路の果て」。この曲に参加していたギタリストの名前を、今日初めて知ったのだ。そこにあった名前は、西川進矢井田瞳椎名林檎のパクリだとさんざん糾弾された原因としては、その歌い回しに加えて、この人の弾くギターの果たした役割が大きい。激情に任せて掻き毟るギター、単純ながらに印象的なギターリフ。上記全ての音源に、彼がギターを弾いている。中学生の時に谷口宗一を聴いたときから数えてみると、こんなに長いこと感化されてるギタリストは、他にいない。布袋寅泰からヒットチャートを抜け出してUK風味に向かい、ハードロックからグランジを経由することで抜け出し、オーソドックスなロックに戻ってきた僕の音楽遍歴の、どの時期にも見事に立ちはだかっている。すげぇ。とりあえず、公式サイトがあって、ネットラジオで個人でやってるバンドの音源も聴けるらしいので、聴いてきます。ソロアルバムも出てると風の噂で聞いた気がするので、それも欲しくなってきた。

公式⇒ http://www.smashroom.com/sunsunsun/
ネットラジオ⇒ http://www.media-aki.com/