BUNGEE JUMP FESTIVAL/阿佐ヶ谷ホームシックブルース

阿佐ヶ谷ホームシックブルース

阿佐ヶ谷ホームシックブルース

この曲で僕はバンジーを知りました。パブリックイメージとしても、バンプオブチキンと同じハイラインレコードからリリースの、この頃が一番乗っていた頃になると思います。
石田小吉プロデュースのこのシングルは、バンジーの数ある作品の中で唯一、「かっこいい」要素だけで完結しています。カップリング「ステレオの前では」を含め、美メロ、効果的なコーラス、効果的なフィルインどころか、場面場面で全く違う表情をみせて曲の展開を支配するドラム、一曲の中に思いつく限りのアイデアを注ぎ込むかのごとく重ねられたギター、そして、精一杯歌う中に、自然に絶妙に掠れる、揺れる、ボーカル。普通にかっこいいじゃないか。ギターと歌だけになるブレイクとか、どうみてもセンスのいいギターロック。今思えば、石田小吉が相当に苦心してプロデュースしたんだろうなぁ。ミスは目立たせないように、かつおいしい部分をしっかり抽出して。バンジーの荒削りゆえに魅力的な面を若干スポイルしている面は否めないんだけれども、それをカバーして余りある好プロデュース。この不器用なバンドを、出来るだけ多くの人に届けたい。ある意味で石田小吉らしくない、そんな思いすら伝わってくるプロデュースワーク。その純粋な結晶が、このシングル。どんな人にも薦められる、好盤であります。更に、3曲目の「ギターを鳴らすだけなら誰にでもできる」。1分46秒だけではありますが、ファンの中では根強い人気を誇る曲。まぁ実はかっこ悪い部分も見え隠れしてるのですが、それを単純に衝動、とか置き換えてしまえるような、勢いのある曲。全部好き。