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話題(らしい)の高校野球マンガ、「おおきく振りかぶって」の5巻を読みました。
- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/22
- メディア: コミック
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ふと思い立って調べてみると、作者は女性で、中高とソフトボール経験者と。ふむ。
(参考URL⇒http://www.toranoana.jp/torabook/toradayo/ncomic40.html)
「野球マンガ」に関して言えば、ドカベンと大甲子園を超えるマンガっつーのは絶対にない、と僕が思うのは、ルールの理解度から駆け引きを含む心理描写、打撃や投球のフォームから、カバーリングなんかを含む実際の野球での動作を、水島新司ほどの高いレベルで再現している人がいない、ということに尽きるわけです。バットスイングひとつ取っても、スイング自体の軌道、腰の入り方、前足後ろ足の体重のかけ方まで書き込んでいたり、ひとつの打球に対する、守備9人全員の動き、ランナーとコーチャーの判断まで、全てを意識して書き上げられているマンガってのは、他にまだ見たことがありません。
「おおきく振りかぶって」は、やっぱりその辺がかなり甘い。駆け引きなんかは、凄く丁寧に書いてる分だけに惜しい。超人系野球マンガだったらそういうのは逆に気にならないんだけど、とても等身大で描こうとしてるだけに、気になってしまうのです。プレーヤー視点じゃなくって、野球マンガが好きな人の野球マンガ感があるなぁ。この5巻でも、内野ゴロの時にベースカバーに誰が入るのかも間違ってる*1し(しかも甲子園の常連高が)、そういう状況になってしまうことがありえるとして、カバーに入ったベースを踏む方向とボールを受けるカラダの向きが間違ってる。絶対ケガするよあれ。
別にいちゃもんがつけたいわけじゃなくって、面白いだけに惜しいのです。ベースカバーの向きが悪いと、ケガをする。それを知っていると、斜に構えて読んでいるんじゃなくても、反射的に「それ危ない!」と思ってしまうわけです。そうすると、少し萎えてしまうわけです。無理な注文なんかなぁ。「そういう読み方」をするマンガではない、と言ってしまえばそれまでなのですが。「それも出来て」いたら、もっと面白くなるだろうになぁ。「憧れの高校球児」成分を高純度で抽出したらこうなるんでしょうかね。それは良し悪しだけども。
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*1:2アウトでランナー2塁、ボテボテのゴロがファーストとセカンドとピッチャーの間に転がる。セカンドが(絵でキャラが判別しづらいので、ピッチャーでは無さそうだし、ファーストは左利きという消去法で判断)声を出してボールを取る。この場合、セオリーから言えばファーストが戻ってベースを踏む。マンガではピッチャーがベースカバーに入って、そういう状態が絶対ないとは言えないけども、少なくとももっと外野に抜ける方向でベースを踏み抜けないとバッターランナーと交錯してしまう。更に言えば2アウトでランナーはセカンド。ワンヒットでランナーを返したくないので、セカンドの守備位置は若干2塁ベース寄りのことも多いはず(これはケースバイケースだけど)。そうすると、3人ともが追う打球ってのはまずないと思っていい。あーーー、考えれば考えるほどありえない…。他にも突っ込みどころは満載なんだけども(ランナー一塁で右投手のモーションを盗むも糞も無い、とかね。癖ならともかく)、そういう方向とは違う魅力のあるマンガですよ。