こっちでグダグダ

一方で、箱は酷かった。会場に設置された、見慣れないロゴのついたスピーカーからは、ジャンルを見事に無視した、ばっさり中域の削られたドンシャリな音が弾き出されていたし、観客は観客で、ライブに参加する意思が全く見られない。いつも思うのだけど、ライブってのは、会場全体のエネルギーの総量で良し悪しが決まると思うし、だからこそ、バンドが発している熱を感じとったら、それと同じだけ返そうとするってのは、もう殆ど礼儀のようなもんだと思っている。ステージ前にへばりついて、アーティストを見つめるだけのような人たちと、僕は友達になれるとは思えんなぁ。
僕は普段からあんまり目立ちたくない人間であるし、今日は後ろ目で延々と酒でも飲みながら見てようと思ってたんだけど、3曲、4曲と終わっても微動だにもせず、全く盛り上がる様相を見せない前の方の観客の余りの酷さに頭に来て。一人後ろで騒いでる男がいたんで、そいつ誘って前に行って暴れてしまったよ。アーティスト側に、もっと盛り上がろうぜ、とか言われたり(それは盛り上げる為のMCとしてではなく、文字通りの意味で)、マフラーは取ろうぜ、とか言われたり(これに至っては失礼どころの騒ぎじゃない。他のバンド目当てで来てるイベントとかならともかく、これ、ワンマンだぜ?)。最低じゃないか。
そんな行動が功を奏したのか、或いは関係なく盛り上がってきたのか、後半は素晴らしいライブになった。満足しつつ帰路に着きつつ色々考えて。盛り上げよう、とかってのは、ある意味では単なるエゴだよなぁ、とか、少しもやもやしてたんだけど、さっきふと曽我部日記を見てみたら、日記が更新されてて。それで良かったんだ、と思った。ありがとう。