kitschsyrup2006-03-11

町田直隆/拝啓ロックンロール
現在、ライブ会場と下北沢ハイラインレコードという限られたリリースとなっている町田氏の3枚のCDの中でも、こいつは全くもって激アツであります。9年間続けてきたバンドを失って、なお研ぎ澄まされる感性。基本的には歌とエレキギターブルースハープという変則的な弾き語りで構成される曲たちは、今までの曲たちよりも更に必然性を持って届いてくる。何かこの人のことを語るときにはどうしてもおんなじような言葉が出てきてしまうので、今回は言葉を少なくしようと思うのだけども、とにかくひとつ。ソロになってフットワークが軽くなったことによって、キャリアを通じて、初めてこの人が達成したと思われることがあって。それは、現在の感情を、限りなくロスのない状態で、CDにパッケージングできたこと。そして、歌とエレキギターブルースハープという余りにも感情に直結する楽器たちで構成されたタイトル曲は、本当に本当に素晴らしい。こんな歌を歌う人を、僕は他には知らない。こんなにも意味が感じられるギターを弾く人を、僕は他には知らない。こんな音でブルースハープを鳴らす人を、僕は他には知らない。それ以上のロックンロールなんて、あるもんか、ってさえ、僕は思うんだけどね。