SCUDELIA ELECTRO/SCUDELIA ELECTRO

kitschsyrup2005-02-14

別に解散したからといって、感傷とかあるわけじゃないのだけど、まぁ勢いで。
何の根拠も持たないのだけど恐らく、「スクーデリアの代表作は?」という問いには、多くの人がこのファーストを挙げるんじゃないかと。感情が痛々しい2ndも僕は好きだけれども(基本的に僕は痛いものやダサイものは大好きだ)、それを経て勘違いした肉体的なアプローチの3rdも悪くないけども、やっぱりPOPに徹した、この1st。これがベストでしょう。
このアルバムにおける、クサい程のポップさ。スパイラルライフってのは、このクサポップに車谷浩司がスマートさを上塗りした、ある意味ではやはり奇跡的なユニットだったのだと思う。一方で、解散後の、その互いの持ち味を抽出したファースト。Airのベストに、1stの"wear off"(或いは、その前のミニアルバム"air")を挙げる人が多いように、やはりこれこそがスクーデリアエレクトロであったのだろう。
そして、その内容と言えば、これでもかという程の美メロの連発。歌詞の、よくわからない比喩と脈絡のない言葉選びは、このアルバムに関して言えば、純粋に記号としての役割を果たし、結果として楽曲自体のポップさを浮かび上がらせている。M6"BETTER DAYS"、M7"ROCKET RIDE"、M11"TRUTH"のシングル3曲は僕は未だに日本屈指のメロディーラインを持つ曲だと考えているし、M4"200MILES AWAY"、M5"c-love-r"をはじめとした他の曲の儚くも美しい構成も、それに決して見劣りしない。惜しむらくは、カリスマ的な要素を全て車谷浩司に持っていかれたこと。古き良きPOP/ROCKを「正しく」継承してしまったが故に、全編を通して地味な印象は否めない。しかし、非常に純度の高い良いアルバムです。ポップ好きを自認する人なら、是非とも聴くべし。

SCUDELIA ELECTRO

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