100s/oz

kitschsyrup2005-01-18

中村一義が、『ERA』で蹴飛ばして『キャノンボール』で突き抜けた壁。それを、歌の先にいる誰か、を明確に目指して歌うようになって達成したと言うのならば、逆に言えば中村一義としての純度が高いのは、それ以前の作品、「状況が裂いた部屋」からの孤独な発信である『金字塔』と『太陽』であろうし、事実、僕の知っている古参の中村一義ファンの中では、そういう声は根強く、大きい。
とは言え、僕は『ERA』以降の方が断然好きである。別にそれ以前を貶めるつもりは毛頭ないけれど、やはり、開かれた音楽、というのは気持ちがいいからだという、単純といえば全く単純な理由である。
しかし、そのモードは、『キャノンボール』を頂点にして、少し折り返す。次のシングルだった『セブンスター』という曲は、『キャノンボール』を作ったテンションのまま、以前のようなとことんに内省的な仕上がりとなっていて、それゆえに余りに名曲。
そして、この『oz』だ。パーマネントなバンドを得て、外へ向かうかと思われた意識は、再び「バンド」という「内」に閉じこもった。サウンド的には『ERA』以降、あるいはもう一歩進んで別のサウンドを作り上げたと言う事が出来ると思うが、その実、これはバンドという手足を得た中村一義が、再び内に篭って完成させたアルバムであると思う。その意味では、寧ろファーストである『金字塔』に印象は近い。そしてそれはつまり、このアルバムはまたもや名盤だということだ。最高。

OZ

OZ

とここまで読んで、内容がないと感じた方。正解。実はこれアルバムを聴かずに書いてます。先行シングルは両方買ってますが。つまり、4/21曲しか知らない人間による、全くのでっち上げです。amazonとかHMVとかに発売前に投稿レビューが載ってる不思議を解明したかった(しかも平気で10点とかついてる)のだけど、無理だよこれ!聴いてどんくらい感想が変わるか楽しみ。早く聴きたい。(まだ買ってすらない