布袋寅泰のradio pleasure box

このサイトでは、廃盤/絶版物は基本的に取り上げないようにはしているのですが、たまには、こんなものを。
この本は、布袋寅泰ミュージックスクエアのパーソナリティをしてたときのセットリストを元に、布袋の聴いてきたCDをひたすら紹介しているもので。僕が布袋好きだった中学生の頃に買った本なのですが、当時はこれを元にして音楽を聴いたって、さっぱり理解できず。それもまぁ当然で、布袋くらいしかロックを知らないガキんちょが急にXTCやらスクイーズやら聴いたって、壊滅的に音楽的素養が足りないのは火を見るよりも明らかで。たまにパラパラめくって「読んでいた」本だったのですが。
しかしこいつが、大学の頃くらいから、非常に重宝する本に変わったのです。自分なりに好きな音楽も確立してきて。あー、俺はこういう音楽が好きなんだな、とおぼろげながら見えてきたとき。この本を久しぶりに見てみたら、まさにその音楽性を直撃。自分で手探りで探り当てたつもりだったあのCDもこのCDも、余裕で載ってる。その衝撃を受けて以来、僕は自分のルーツとして布袋寅泰の名前を強く認識せざるを得なくなってしまったわけです。
実際、レコードマニアとしての布袋の底力がいかんなく発揮されている本書は、特にニューウェイブだとかグラムロックだとか、その辺の英国ロックを紐解くには非常に良作です。浅くもなく、マニアックにも過ぎず。案外、渋谷陽一なんかのディスクガイドを読むよりも良いかもしれない。絶版なので、古本屋とかで見つけたら、絶対買いだと思います。